第12回(平成22年4月21日)

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生きとし生けるもの

 動物にせよ、植物にせよ、エサをやり水をやるなどの手入れは大変だということが今にしてようやくわかった。

 ネコや犬などのペットの類から、牛・馬などの家畜に至るまで口を持っているものにはエサ(食料)を毎日与えないといけないからこれが大変だ。人間だって数日なら食べなくてもどうっていうことはないが、排便まで考えればなかなか世話をするのは大変だと思う。

 だから、口を持ったものを飼う以上は楽しい旅行も念入りな前準備して身のまわりの段取りをしないことには、気ままに旅行するのは無理ということになる。

 私の失敗談。植木で勉強になったことがある。小庭があり木と草・花の類を植えていた。木は年に1回は手入れをしていたが、自然に帰すのも良いだろうと思って手入れを辞めたところ背の高い木だけは大きくなり茂ったが、下の方にある草・花は太陽の恩恵に預かれず、瀕死の状態になった。強いものだけが生き残るのだということが分かった。弱肉強食ということか。確かに、山の中の木々でも下草は枯れていて苔類が育っているのを見ると太陽光の大切さが分かる。

 次の失敗談は、盆栽(桜)を外に置いて冬の寒さに耐えさせたまでは良かったが、水遣りをしなかった。大地に生えている木は根を張って水分を地中から取っているから、基本的には枯れないのだが、盆栽のような鉢植えになると根が浅いから水遣りをしっかりして水分の補給の管理をしなければならないことを失念していた。

 ある人曰く、「盆栽は水の管理が大変だから、暇なご隠居さんがする仕事ですよ」。忙しく仕事をしている人は無理ですと宣わった。なるほど、そう言われれば、そういうことかと妙に感心した次第。

 催し物などに、数百年も経った見事な盆栽が誇らしく展示されることがある。見るだけでは綺麗・美しいと愛でることはできるが、水遣りや肥料など細心の心遣いがなければ長い間は育たないのだ。そういう方面のノウハウがなければ盆栽をやる資格はない、ということだろう。ご苦労なことです。普通人には無理でしょう・・・。

 それでも、私は懲りもせずプランターで薩摩芋やトマトを育ててみようと一念発起した。肥料や水遣りを怠らずにやってみようと思い立っている。果たして上手くいくか。失敗は成功のもとだから、今度はやるぞと意気込んでいるが、果たしてどうなるものやら分からない。自信はない。

 手をかければ、生きとし生けるものは立派に成長してくれるはずである。そういうように世評では云われているが、手順や手法を間違えれば元も子もなくなる。

 人間だって、生まれた時に教養とか知識を持ち合わせている人はいない。長年の積み重ねで教養や品性等に差がつき、顔立ちに顕著に表れてくる。だから、日々勉強し努力する以外にないということだと悟った。苗を買ってきて試してみようと思いたって実行を始めたところだ。果たしてどうなるか楽しみです。数ヶ月後の成長を楽しみに見守っていきますが、水遣りは忘れないでやれるか心配です。

 

おかやま適塾

馬場 勉


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