第75回(平成23年10月6日)

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鑑定眼を養う


 昨日 10 月 5 日は、一日中雨が降った。久方ぶりの雨だった。雨の降る日もあるだろう。五風十雨というから、 10 日一度は降ってあたりまえ。今日は、特に書くネタもないが、書き綴っていると 10 日程経つと書きたくなる衝動に駆られる。不思議なものだ。

 国会中継なるものを暇に任せてみているが、最近の野田内閣になってからは、国会審議が面白くなくなった。質問者は与野党を問わず、しゃべりすぎ。演説調で長すぎるし回答する方は、野田総理を始め各大臣の回答が慎重すぎて、ぼろを出さないようにしすぎであまり面白くない。委員会で、ヤジも飛ばさないような受け答えはテレビを見るものからすれば、面白くない。話し方にいずれの側も抑揚が少ないからつまらない。どうでもよくなってテレビを見るのをやめる。最近のテレビには、面白いものもあるが全体的にどうでもよいものが多すぎるように思う。いわゆる、本当の意味の喜劇俳優がいなくなったのは淋しい。

 「開運なんでも鑑定団」は好きだから良く見ている。私が、鑑定士ということもあって本質を見抜く力をつけるためにも、質の高いものを見ることに心掛けて精を出している。東京国立博物館等で、国宝級のものを見て良い物はなるほど立派だと感心している。

 先日、岡山県立博物館で『新たな国民のたから』という文化庁が購入した文化財展を見た。国宝の刀や書・陶器・仏画・仏像等様々なものが展示されていた。所有者の方が、何らかの理由で手放さなければならなくなり国が買上げたもの。だから、いずれも質の高い価値が認められるものである。鑑定眼を養う為にもためになった。

 私は、国の購入価額を表示してくれたらもっとよいのにと思う。国が税金で買ったものだから、公表しても別段差し支えないだろう。購入額を知ることにより、相対的な価値判断が身に付くというものである。客観的な価値を知ることは、自分が骨董に値付けする参考にも役立つと考える。

 話は変るが博物館等では、 65 才以上の人は入場料が割引される場所が結構ある。最初の頃は、早や 65 才になったのかとなんだか変な気になったり、照れたりしていたが最近はできるだけ割引を活用するようになった。いまだに、現役で税金も納めているから、まあこの程度の恩恵はいいかと思っている。

 ただ、見た目は若いようだから(自分もそう思っている)身分証明書(運転免許書等)を呈示することにより立証するようにしている。生年月日のわかるものの呈示を義務付けられているが、いつも証明書を持っているわけでもないから、忘れたときは満額を払っている。別段、勿体ないことをしたとは思わない。 65 才以上になれば、一般的には年金暮らしの人が多いのも事実である。私は、生涯現役を貫くつもりだ。働けることは、幸せであると思っている。暇なのが一番つらいことだ。自由業の良いところでもあり、辛いところでもあるが…。

 速報では、アイフォーン等で有名な億万長者のアップル社の共同創業者のスティーブ・ジョブズ前 CEO (最高経営責任者)が 56 才の若さで膵臓癌で亡くなったとのこと。アメリカでは、病気治療には大金がかかるそうだが、世界有数のお金持でお金に困ることはなくても、寿命には勝てないのだ。 1976 年に 20 才代で起業して 35 年。ガレージから一躍巨額の富を築いたアメリカンドリームを絵に描いた見本のような人だった。

 ガン治療に画期的な治療方法があるらしい。それは兵庫県竜野にある「兵庫県立粒子線医療センター」で行われている、素粒子を使う治療だ。まだ、新分野の治療法のため、あまり知られていないが本当にガンが治るのであれば、治療費 300 万円は金持にとっては安いものだ。

 世界の医学技術は、常識をはるかに超えて進んでいる。さらに、進化することを期待したいものである。人間は、やはり老衰で天命をまっとうしたいものだ。ガンやその他の病気で惜しまれながら、人生の途中で亡くなっていくのは、心残りがするものだから…。

   

おかやま適塾

馬場 勉

 

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