第156回(平成26年7月8日)

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台北国立故宮博物院「神品至宝」


 

 7月に入り、今年は半分が過ぎた。梅雨どきで大型台風が来ている。先週の土・日は、当る確率の高い天気予報が、曇りというので、四国の徳島へ。

 一番札所霊山寺(りょうぜんじ)を振り出しに遍路した。霊山寺の納経所で尼さんに納経してもらい、二言三言話した。一番札所だからか「楽しく回ってください」という主旨の話をされた。意味深長だ。いやいやながら遍路したり、体に無理がかかれば、害はあっても利はない。私は 8 回目を回っている。時には辛い思いをする時もあるが、全体的には楽しい旅だ。精神安定剤の役目も果たしている。やはり楽しくウキウキしながら、無理せずゆっくりと自然を満喫して回りたいものだ。

 曇りの天気予報は、外れて雨が降ってきた。雨は木々の緑がきれいになり、紫陽花(あじさい)が一段と冴えていた。梅雨の最中だから雨が降っても当たり前。台風と大雪は困るので遍路は避けているが…。

 先月末、東京へ研修会(勉強)に行ったついでに、東京国立博物館で台湾の台北にある国立故宮博物院の70万件近い貴重な文物の中から精品231件に及ぶ展示物を見ることができた。中国の代々の王朝が国の宝としてそれぞれ印を捺して受け継いできたものだ。日本で言えば、国宝に匹敵する至宝である。その中にあって翠玉白菜(すいぎょくはくさい)という翡翠(ひすい)の彫り物は、宝(神品)のため特別扱いである。翡翠の玉にキリギリスとイナゴがとまっているように、繊細に彫刻してある。これを見るだけに 2 時間程並ばなければならなかったが、折角の機会だからと行列して拝見した。たしかに、世界に誇れるもので行列するだけの価値はある。その他の作品にも、感動するものが多かった。 NHK スペシャルでこれらの「神品至宝」の経緯や由来などを解説していたが、中国には文化財を護りぬくという思想が代々の皇帝の中華の概念として、引き継がれてきたのだろう。この点は他国が真似のできない中国ならではの文化に対する心構えの発露である。評価に値すると考えられる。

 昨今の目立つ社会現象として、脱法ハーブや低血糖(糖尿病)等による交通事故、あるいは、人生いやになったからだれかれとなく道連れにして死にたいと車を暴走させる者など、世の中相当におかしくなっている。

 「恋のからさわぎ」という番組に出ていた女性が都議になり、ヤジを飛ばされて自分の過去が表ざたになるなど騒々しい世の中になったものだ。架空請求した県会議員が大声で号泣しながら意味不明のことを記者会見で喋くりまわるなどに至っては、議員よりお笑い芸人になっていれば、才能が発揮されてそれなりの芸人になれたのではないかと思われる。うそっぱちの口先三寸で、大衆の心をつかみ議員になれる世の中であることもおかしなものだ。

 文明が発達するのはよいことだが、携帯電話から始まってスマホだとかなんかよく分からないものまで日進月歩研究開発が進み地球全体の距離感がなくなり、遠距離の男女が切ったはったということに至る。殺人事件を引き起こす。電車に乗っていたら 7 割程の人が盛んに手を動かして携帯等を作動させている。私は使いこなしができないから無用の長物だが、お友達として相手にしてくれなくなるかもしれない。今からでも遅くないから、使いこなせるように勉強を始めようかと思っている。やる気になればできるだろう。痴呆症にならないためにもよいかも…。 

  

おかやま適塾

馬場 勉

 

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