第14回(平成22年4月28日)

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世界の中の日本の立場を知ろう

 先日、テレビを見ていて驚いたことがある。それは、アイスランドの火山噴火により飛行機が欠航した。そのことは、やむを得ないと思うが、なんと地球の裏側から「切花」が、常時、輸入されているという現実は知らなかった。花は日本で作っているものとばかり思っていたからだ。

 定期的に、バラとかカーネーションなどを年中手に入れるようにするためには、年間を通して花が栽培できるアフリカなどから輸入することが必要だったのだ。平素、利用している飛行機便が火山灰のために利用できないということになったため、別のルートで輸入しなければ、市場にカーネーションなどが不足することになるから、ルート開発のため24時間夜を徹して航空便の手配の交渉をしたというのだ。御苦労様でした。

 日本人が、何気なく日本で作っていると思っているものが、外国から輸入されているという現実の事実を知らなければならないのだ。

 狭い日本国内で、ワイワイガヤガヤやっていては、コップの中の嵐で時代の流れに乗り遅れるということだろう。それにしても飛行機による空輸だとお金もかかるから、かなり高いものになるのもやむを得ないかな。

 そこで、鰻や鮪は日本国内で完全養殖するなど、いざという時に困らないようにすることを心掛ける必要がありそうだ。食に対する危機管理でもある。

 私達が認識していないようなものが、外国いや地球の反対側からも、常に、輸出入されているということを知っておくことが大切だ。切花以外に、私が知らないどんなものがあるのか興味があるところだ。これからは、商品の原産地を確認してみることも好奇心を沸かせることになるであろう。

 また、グローバル化した世界経済市場においては、世界恐慌まではいかなくとも、頭越しに恐ろしいことが起きるものだ。日本とは、直接には関係が少ないと思われるギリシャやポルトガルの国家財政がおかしくなってきた。そのため、両国が属するユーロ圏(欧州)に輸出入している日本を始めアメリカなどの企業の株価に影響を及ぼすことが生じている。

 米国の格付会社が、ギリシャの国債を大幅に格下げして投資不適格との評価替えをした。格付けを下方修正したため、世界経済が動揺して軒並み株価が大幅下落するというようなことになった。日本の一般投資家等にとっては、直接に関係ない想定外の要因で右往左往することになるのが現実なのである。なお、ギリシャ同様ポルトガルも格下げされたようである。その他の諸国は大丈夫かと不安になる。ということは、遥か彼方の成熟した国家の財政赤字が、世界経済市場に与える影響が無視できないほどグローバル化して結び合っているということに起因している。

 逆に、中国やインドなどは後進国ながら発展途上にあるため、国の経済力が高度成長中でその効果も無視できない。もちろん、日本の株価にも影響する。翻って、日本は国債を大量に発行しながら、「子供手当て」など社会保障の充実した先進国並みの福祉国家よろしく、湯水のごとく国費を際限なく支出しているが、あと数年で、日本の国債は市場において消化ができなくなり底を打つのではないか?財政への危機感の真剣さが無さ過ぎる。国民に飴玉を配れば良いということではないだろう。総理は、金持ちのぼんぼんで地獄を見たことがないから、選挙目当ての大盤振る舞いをしているのだろう?しかし、そんなに遠くない先々のことを深刻に考えれば、考える程恐いことだと思う。

 私の乏しい経験からすれば、しっかりしなければダメですよといいたいところです。何となれば、収入より多い支出を続けていれば、普通のサラリーマン家庭では破綻することは目に見えている。国家においても、会社においても、同様であることに違いはない。当たり前の道理である。この辺で、褌を締め直すことが必要だ。リーダーである総理のほか、各々の議員諸侯も足元を見直す機会にして欲しいと、国民からの警鐘が鳴り続けている昨今である。

 

おかやま適塾

馬場 勉


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