第53回(平成23年3月25日)

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がんばろう!ニッポン


 「津波を何度も経験し、無から立ち上がってきた。今度もガンバル」という主旨のことを津波被害者の方が話していた。元気の出る言葉だ。

 私の親の世代は、戦争で焼け野原になったが頑張って今の日本を築いた。当時は、全国が戦争に負けて人を助ける余裕などなかったが、なんとか生きる知恵を持って復興して今日がある。

 今回の東日本大地震では、地震や福島原発の影響が及ぶ地域以外は被害も少なく元気。義援金や救援物資が集まり政府も緊急の援護策を考え行動に移している。この点については、戦後の日本と異なるところだ。支援体制は完全とはいえなくてもかなりの程度充実している。国民の気持はこの点においては少なくとも一致している。

 福島原発の放射能汚染問題については、目にみえず臭いもしないものを相手にした格闘だから大変だ。政府は胃の検査や日本とアメリカの飛行機であびる被爆量を例に出して大丈夫だと公言してのんきなことを言っているうえに、東京電力に対して菅総理は怒鳴り込んでいるが、現場は東電の職員や協力業者職員(下請け業者)が命がけの特攻隊精神でやっている。

 自衛隊員や消防職員よりもっと危険な仕事に日夜を通してやっているのに文句を言われると情けなくなるだろう。「ご苦労さんです」の一言もいわない最高権力者とは情けない。

 伝聞では、東京でも生活に影響がでているようだ。今まで、他人(東北地方)のふんどしで相撲を取ってきた因果であろうから仕方がないであろう。当分の間は苦しみを共有することが必要かもしれない。

 あまり表に出ないがご遺体処理、トイレの場所の確保、膨大な瓦礫の処分、避難所暮らしの人達の処遇など、考えれば気が遠くなるような話ばかりだがいずれ解消するであろう。

 平和ボケしていた日本だから冷や水を浴びせられて目が覚めたというところか、いずれ良くなるからそれまでガマンするしかない。

 がんばろう!という言葉がずしりと身にしみる。

 

おかやま適塾

馬場 勉

 

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