第135回(平成25年8月23日)

>>目次

波瀾万丈の人生


 私の人生は、若干の波瀾はあったが、たいしたことはない。一代で財を成した孫正義(ソフトバンク設立者)と稲盛和夫(京セラ創業者)さんなどは、現代の成功者で一目置かれる存在である。最近の傾向として、新富裕層といわれる人達が(若くして大金を手に入れた場合が多いが)日本は、税金が高いので外国へ移住していくのだ。その大きな理由は、 24 時間休み無く働いて儲けたお金が、何もしないで遊んで暮らしている人の為に使われて、富の再分配をするのは、許せないということらしい。が、外国へ移住して本当に幸せになり楽しいのだろうかと思う。私ごとになりますが、税金を払う為に働いている気持を持っている。しかし、外国へ行く気はおこらない。

 (亡)美空ひばりは、膨大な税金を支払っていたはずだが、外国へ移住せず文句も言わず税金を支払ってきた。最近の若者(いい年の人もいるが)の考えが、変わってきたのだろう。不思議なのは、ずっと外国へ行っているのではなく、日本で生活して居るのではと思われる人もいる。住民票を 1 月 1 日時点で外国に移しているだけではないのかな?県市民税等を払いたくないだけなのだろうか?

 波瀾万丈の人生を、実際に生き抜いたと思われる昭和の歌姫の死が、昨日起こった。歌に音痴な私でも、名前を知っている藤圭子さんがマンションから身を投げて自殺したとのことだ。歌手だった藤圭子さんは、黒髪・黒い服で庶民の怨念を歌い一時代を映した人だった。 1969 年に「新宿の女」でデビュー。「圭子の夢は夜ひらく」「女のブルース」などヒット曲を出した。特に、大ヒットした 1970 年の代表曲「圭子の夢は夜ひらく」で「十五・十六・十七と、私の人生暗かった」と歌った。藤圭子の人生は、不幸のイメージに彩られた感じがする。

 極貧の若い時や結婚と離婚を繰り返した経験、さらに、現在は 30 歳代の男性とマンションで同棲していたというから、俗にいう「つばめ」と思われるが、真偽を確かめることはできない。彼女の人生を客観的に見て、これを波瀾万丈の人生と言わずして、どういったらよいのだろうか。

 歌手として有名な宇多田ヒカルを生み育てた。朝方の飛び降り自殺らしいから、俗にいわれる躁鬱病にかかっていたのかと思われるが、本当に淋しいことだ。享年 62 歳。まだ、これからだったのに、残念至極だ。

 いずれ、またの機会に書きたいが、「破綻」という本が(ワック鰍ゥら)出版されている。林原事件(会社更生法適用)の当事者である林原靖(やすし)さんが書いた著書である。記述内容にウソはないであろう。岡山の世界的優良企業だった「林原」がなぜ潰され、徹底的に痛めつけられたのか!弁済率 93 %という異例の倒産劇だったから不可思議だ。誰が得をし、誰が損をしたのか、見方によって結論が異なると思うが、得したのは騒ぎが大きいほどご馳走になる弁護士集団か、また、銀行団は、結果的には利息を長年にわたり入手していたのだから、損はしていないはずだ。銀行間の内輪揉めが、本件の最大の原因のように思われる。著書にも書かれているし、さらに、世間一般の認識は新聞などの報道により、メイン銀行の中国銀行とサブメインの住友信託銀行の内ゲバだったのかと考えられるが…。他の銀行は蚊帳の外だったため、反感を買った。すなわち、メイン銀行が最善策として描いた裁判外紛争解決手段(ADR)が全行ミーティングで異議が出て不発に終わり、会社更生法の申請に切り替えた経緯がある。他山の石とすべきだろう。

 すでに、過去の問題になり、現在は清算が済み、新しい所有者により、前に進んでいる。ただ、関与者みんなが総括して、反省すべきは反省が必要だろうと考えるのだが…。 私にはインパクトの大きい問題提起だったから。

 余談だが、瀬戸内寂聴( 91 歳)さんが「烈しい生を、美しい死を」と色紙にしたためている。この人も波瀾万丈の人生を歩んできている人であることに間違いないだろう。

          

おかやま適塾

馬場 勉

 

 Copyright (C) 2010 babasogokanteisyo, inc. All Rights Reserved.