第168回(平成27年5月29日)

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世代交代


  私は、昨今、特に世の中が大きく世代交代が進んでいると感じていた。属している諸会で、定年制度の縛りもあるのだろうが、知人達が退会したり役職から外れたりして息子や新しい社長等の世代に代わっていくのを常々淋しい気持で受けとめていた。私の現在の心境は、世の中の傾向に対して真逆の気持で迎え撃っているつもりだ。退会していた会へ再入会したり、積極的に会合等に出席するように努めて、予定の空白を少なくして時間の穴を埋めていくように心掛け、時代遅れにならないようにすることや体を動かして健康維持増進に努めているところだ。生涯現役を貫いていくと公言している。知人で、 88 歳まで理事長を務められ惜しまれつつ、後輩に座を譲った矍鑠(かくしゃく)として元気な先輩と接していたので、感動していたところだが、仕事を無くしたらボケたり足腰が弱るのではないかと心配しているところだ。とにかく、自分の体は自分で最低限の管理をすることに尽きると思うのだが…。元気でガンバッテほしい。

 大相撲夏場所で、東関脇で優勝した「照ノ富士」は、めでたく大関になった。 23 歳のモンゴル出身の若者だが、愛嬌のあるキャラクターの好人物である。「さらに上を目指す」との決意の口上をしたのだから、横綱になる日も近いであろう。無敵の強さを見せ付けていた横綱白鵬にも陰りが見えてきて、世代の交代が感じられる。白鵬は強すぎる面もあるが、言動に世の反感を買う面がある。強いだけではダメで、人柄も大切であろう。張り手が目立つ白鵬だが、相撲で認められた手口であるとしても、横綱が多用して使う手段としては好ましくない。堂々と戦うべきであろう。相撲人生の将来は、それ程長くはないと感じる白鵬である。日本人大関の稀勢の里は、強いのだが、意外と脆く下の者に負けることが多く、不安定なところが難点で残念である。横綱は無理かもしれない。上層部の関取は、モンゴル人が大半を占め、日本人力士が少数であるのはやりきれないが、仕方ないことか?

 安倍晋三首相は、話が長すぎて肝心の云いたいことが伝わってこない。単刀直入に応答してほしい。国会の衆議院平和安全法制特別委員会で、安全保障関連法案の審議での問答では、よく理解できない回答がしばしばある。首相自ら「早く質問しろよ」と辻本議員にヤジを飛ばすなど、どういう神経の持ち主なのかと思う。

 首相は最高権力者であるから、どっしり構えて貫禄を示すべきであろう。気に食わぬからヤジるなどするようでは、歴史に名が残るような宰相にはなれないのではないかと思う。話の端々に必要以上に形容詞が付きすぎて、核心の部分がぼやけてしまうため、聞くのがめんどくさくなりテレビを切ってしまうのが落ちである。

 国宝の旅めぐりとか国宝の仏像の放映のテレビを見るのが好きでよく見ているが、こちらの方がよっぽど楽しい。「集団的自衛権」行使の問題は、重要な問題だが、従来の法解釈でも乗り越えてきたのだから、それを継続すればよいのではないかと思うが…。必要以上に国民に議論を吹っかけてくるのは得策ではない。「触らぬ神に祟りなし」といえる。また、徒然草で吉田兼好も「必要でないことは変えない方がよい」という主旨のことを執筆している。私もそういうふうに思う。憲法論争は大切だが、程々にしていた方が良さそうである。

 何れにせよ、日本の世の中は平和過ぎるようである。ドルに対して円安( 1 ドル 124 円台)になることは、日本の国力が低下したことになりあまり良い事ではない。株を持っている人がにんまりし、その日暮らしの人が一層困窮する社会は、望ましくない。富める者と貧しき者の格差の差別化が進行し、貧困者が増大することはよいことではない。その内、株式の暴落が起こるのではないか。日本国内(特に大企業に限って)は、収益力が良くてもグローバル化した世界では、株式市場において日本だけが良いというような先のことは読めないからだ。健康で、まずまずの生活が営まれるなら幸せと思わなければならず、健常者(健康寿命)になるべく努力をいとわぬことであろう。そうしたいものであるが…。

 

追記

@「習わぬお経は読めぬ」といわれるが、テレビで最近ブレイクしているのが、物知りクイズである。世の中には天才といわれるような、どの分野でもたちどころに答えられる人がいるものだ。ただあきれるばかりだ。既に学習して読んだり見聞したりしたことは、記憶しているものだが、全然知らないこともある。たまたま私が知っていても、多数の出場者の天才が解答できないこともたまにはある。やはり、知らないこともあるので安心している。全てがわかるのも、反面、不幸なことで忘却することも必要なことと思うが...。

A「空き家対策特別措置法」が 5 月 26 日全面施行された。街の中心部でも、崩倒寸前の空き家が結構ある。全国に 820 万戸あると推定されている。住宅総数の 13.5 %を占め、 20 年前の 1.8 倍となっている。自治体が、撤去命令を出すことができ、代執行もできる。良好な環境や防災・治安などから美化するためである。

B「宅地建物取引主任者」といわれ、不動産取引の際に、重要事項の説明等をするために、不動産業を営む場合は、必ず置かなければならない資格者であるが、今年 4 月 1 日より名称が「宅地建物取引士」と変更された。士(さむらい)族に格上げされたといえる。

  

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馬場 勉

 

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